カンタータ日記・奥の院

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zoom RSS 堂島薬師堂・現代都市に生きる古代寺院〜大阪モダン建築図鑑’13ちょっと早いバレンタイン編その1

<<   作成日時 : 2013/02/16 20:58   >>

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 大都会の真ん中、池に浮かぶきらめく球体。これは一体??


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 2月のはじめ、四大陸フィギュアスケート選手権観戦のため、大阪を訪れました。

 フィギュア観戦をする10日の前日の9日には、大阪入り、
 例によってこの日は、丸一日、愛すべき大阪の建築探訪を楽しみました。
 一昨年末の大阪モダン建築図鑑’11Xマス編に続く、大阪建築図鑑。今度は、ちょっと早かったですが、’13バレンタイン編、」ということで。

 午後に訪れた大阪港がメインとなりますが、
 まずは、昼食後、散歩がてら訪れた、大阪駅から歩いてちょっとの、実に大阪らしい、驚くべき「寺院」から。


 昨年末、あの建築小説家?万城目学さんと門井慶喜さんの共著、というか、お二人がさまざまな都市の近代建築を回りながらあれこれ感想を言っているのをまとめた、

 「ぼくらの近代建築デラックス!」

 という本が刊行されましたが、(文藝春秋社、オール讀物掲載)

 そこに登場する大阪の建築の中で、わたしがこれまで「大阪モダン建築図鑑」でとりあつかっていない唯一の建物です。


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 大阪キタ。巨大なビルが立ち並ぶJR大阪駅〜北新地駅、地下鉄四つ橋線西梅田駅周辺。

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 大阪駅地下街を南へ向かって数分歩き、地下街の南端、北新地駅あたりで地上に出る。
 ビルの狭間の路地を南へぬけると、

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 目の前に、これまた巨大な複合ビル、「堂島アバンザ」が立ちふさがる。

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 堂島アバンザの、東側の広場に、なにやらあやしげに輝く球体が。

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 堂島薬師堂


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 聖徳太子ゆかりの、日本最古の寺院の一つとしてあまりにも有名な四天王寺創建の際、建材の運搬船が難破してしまったのだが、その時に、現在の堂島にあたる洲に流れ着いた建材によって建立された薬師堂が、その起源と伝えられる。
 ちょっと驚いてしまうような、とんでもない由緒を誇るお堂。
 堂島一帯は、明治時代までは中州であり、推古朝の頃の史料にも、「東は玉造に四天王寺をつくり、西の方洲の中に御堂を建立」という記載もあるという。
 「堂島」の地名自体、このお堂のある島、ということに由来する。

 戦後一時期東側に移転していたが、1999年に堂島アバンザが建設された際に、堂島アバンザ敷地内の元の場所に戻され、その時に現在の形になった。


 あの四天王寺と並ぶ古い歴史を有する寺院としては、あまりにも奇抜な現代の姿に、思わずあっけにとられてしまう。

 しかし、考えてみれば、池に浮かぶ金色のミラーで作られた球体のお堂は、薬師如来の瑠璃光世界そのものを表現しているように思われる。
 全部で127枚ものミラーガラスを組み合わせた、直径7メートルの球体。
 金色にきらめく光が、あらゆる方向に放射するのは、正に、薬師如来の威光、慈悲そのもの。

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 その他にも、お堂の周辺に配された池、池の上をのびる参道、もちろんお堂内には、古い仏像群。
 そして、ビル入り口との間のスペースには、鎮守の森をイメージした巨木の植えられた庭園がひろがり、
 寺院として必要なものはすべて美しく整えられていて、順路に従って参拝すると、不思議と敬虔な気持ちになってくる。


 池の上にのびる参道を渡り終えると、両手を合わせた形をモチーフにした銀色の燭台。
 その奥に、お堂の正面入り口が見える。

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 お堂の正面は、石を使った意匠になっていて、左右にそれぞれお稲荷様と弁天様が祀られている。

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 正面の格子戸から、堂内の仏像を拝むことができる。

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 本尊の薬師三尊像は、厨子内に。(下は、展示されていたパネルの写真)

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 本尊の薬師如来像は、室町時代のもの。パネルで観るかぎり、古風な素朴さをたたえた美しい像と思われる。
 厨子の左右には、地蔵菩薩像弘法大師像。弘法大師像は、本尊よりも時代をさかのぼるものだという。


 お堂の裏手の池には、かわいい弁天像も。

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 ビルのエントランスへと続くブリッジの周囲には、コブシの巨木をはじめとする木々が植えられ、
 鎮守の森をイメージした憩いのスペースになっている。

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 地元の人々から今も深く信仰され、親しまれているお堂らしく、わたしたちがいる間も、何人もの参拝の方が訪れていた。
 節分等の行事は、地元のオフィスや商店等が参加し、大々的に行われている、とのこと。



 大阪の夜。

 都会のネオンのきらめきの中に、薬師堂も溶け込んでいることだろう。


 * 公式HPによれば、夜になると、堂島薬師堂はライトアップされ、お堂の下から霧が噴出するらしい。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
堂島薬師堂には目が点になりました。
現代建築として見てもかなりなのに、これがお堂とは!
中の仏像は古いものですか。お蔭さまで拝見できました。
目的がいくつもある旅行はさすがです。
何時もツアーにのって物見遊山しか出来ない私は憧れですが、とても出来ません。
tona
URL
2013/03/03 08:21
 tonaさん、こんばんは。
 このお堂は、一見何気ないオブジェに見えなくもないですが、おっしゃるとおり、建築としてもなかなかのものだと思います。写真を見ていただくとわかると思いますが、建物を囲む127枚のミラーガラスはすべて微妙に角度が異なるので、それぞれがまったく違う周囲の風景の断片を映して、まるで万華鏡のように美しいです。
 それが、薬師如来の瑠璃光浄土の世界観とも合致しているところがまた見事です。
 なお、このお堂は、あの奈良薬師寺の直轄だそうで、さすがに由緒正しいお堂だけのことはありますね。
 仏像は、室町時代の本尊は閉じられた厨子内にいらっしゃって観ることはできませんでしたが、(上の写真は飾ってあったパネルを撮ったものです)
 それよりも古いという弘法大師像等は、拝観することができました。
Nora
2013/03/04 23:05

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