満開の桜の下、春の舞楽を堪能する~増上寺舞楽

 今年も、芝増上寺では、4月1~7日、9~10日、毎日日替わりで舞楽奉納が行われました。

 東京の桜もいよいよ満開になった4月7日、お花見がてらに出かけてきました。
 この日は快晴ではあったものの、気温が低く、花冷えの一日ではありましたが、昼過ぎまでは、陽が当たるとなかなかうららかで、まあ、絶好のお花見日和。

 桜が美しい春の日に春の舞楽。
 正に春を満喫することができました。


 ※ 一昨年の記事は → こちら
   なお、昨年は震災の影響で中止になっています。



 4月7日(土)



 宗祖法然上人八百年御忌大会 舞楽奉納 大本山増上寺雅楽会

  @ 増上寺境内



 春庭花(しゅんていか、しゅんでいか) 左方四人舞 平舞 双調


 唐の玄宗皇帝が楼に登り、その年の開花の遅さを嘆き、楼上でこの曲を奏したところ、たちまち花が咲き始めたという逸話に基づくとされている。(パンフレットより)

 もとは8世紀末に唐から伝えられ途絶えていた曲を、9世紀に日本でアレンジし再興、作舞したものらしい。

 ※ 2009年4月に四天王寺聖霊会舞楽大法要で見た「春庭花」の記事は → こちら



 満開の桜の中、春らしい明るい音色の演奏で登場。

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 かぶっている冠は巻纓冠(けんえいのかんむり)。
 後頭部の上の方でくるっとまかれて輪になっている細長い布が纓(えい)という部分で、巻かれているから巻纓。
 これは武官の冠。
 もみあげのような、あごひげのようなものは緌(おいかけ)という飾り。
 なんといっても冠につけた桜の花飾り(挿頭花(かざし))が美しく、見ているだけで春らしい、うきうきした気分になってくる。

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 装束は蛮絵装束(ばんえしょうぞく)。向かい合った二匹の獅子が円を描くかたちになった文様がついたもので、もとは宮中の近衛の官人が着用した装束。
 腰には太刀をさしている。


 はじめは前後二人ずつ二列のフォーメーション。

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 やがて四人で輪をつくる。

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 花が開くように輪が広がったり、うきうきする心そのままにくるくると回ったり、春を祝福するような華やかな舞。

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 増上寺雅楽会は浄土宗僧侶約200名で構成されている。
 舞人たちも多分、僧侶の方々だと思うので、冠の下に髪がなくて、不思議な感じ。

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 冒頭にも書いたけれど、舞だけでなく、曲調も春らしく、明るくさわやかで、聴きやすい。
 青空の下で奏されるのにぴったり。
 この曲の調子は「双調」(そうじょう)といい、西洋音楽でいう「ソ長調」らしい。
(参考図書にト長調でなく、ソ長調とあったので、そのまま書きました) 

 平安時代に書かれた「龍鳴抄」という書物には、「何事も季節感が大事」、「春は双調、夏は黄鐘調(おうしきちょう)、秋は平調(ひょうじょう)、冬は盤渉調(ばんしきちょう)」と、書かれているそうだ。

 年始に書いた「調子」のCDの記事でも、それぞれの調には細かい性格付けがなされていることに触れたけれど、
 西洋のクラシック音楽にも、「田園」のヘ長調や、モーツァルト40番のト短調など、強烈なイメージを有する調性が多く、さらに時代をさかのぼってバロック以前には、調性により厳格な性格づけがなされていたことを考えると、興味深い。


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 退場。舞人の背中には笏(しゃく)がつけられている。
 演奏しているのは袈裟をつけた僧侶の方々。

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 やはり屋外で見る舞楽は気持ちよい。特に、桜花の下でこのような曲を味わうのはまた格別だ。
 あとで舞人の方に一緒に写真を撮ってもらった。
 ありがとうごさいました。



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 参考:「四天王寺 聖霊会の舞楽」(南谷美保著、東方出版刊)、「雅楽」(鳥居本幸代著、春秋社刊)



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